小説

いつかの人質

久しぶりにドキドキする小説を読んだのでとても楽しめた 幼い時に誘拐された女の子が学生になって再び誘拐される なぜそうなってしまったのか 冒頭からとても引き込まれた 優しい人が言ってくれる言葉と自分が欲しい言葉が一致していることって難しくて そこ…

プリズン・ドクター

プリズンドクター 医大卒業後、奨学金のため刑務所医官となる 仕方なく始める仕事ながら 受刑者と向き合う中で少しずつ刑務所医官の仕事への考えにも変化が出てくる いろんな受刑者のお話があるのだが 少し認知症になった受刑者と出所後引き取りたがらない娘…

リアルフェイス

話のベースは少し重いはずなのにとても軽やかに楽しく読んだ 今の妻の顔を前妻の顔に変える とか ある男性の顔を別人に変える とか 整形を繰り返す女優に更なる整形をする とか あらゆる奇妙な依頼が来る 美のあり方、美しいってなんだろうと思いながら ミス…

何もかも憂鬱な夜に

もしかしたら数ある本の中で一番好きかもしれない 何度も再読している本 特に死にたいと思ったことがある訳じゃないけど 生きていると大変なことがあって嫌になったり挫けそうになったことはたくさんある もっと上手くできたらよかったのに変な感じになって…

麦本三歩の好きなもの

とても優しいお話だった 好きなものを好きとわかって生きていくのは幸せなことだと思った いろいろある人生がだが優しく誠実に生きていきたいものである 「どう変わってもいいよ。君がどれだけボロボロになっても、なんにもなくなっても、 君が死んだとして…

もしも、私があなただったら

なんとも大人な小説 タイトルに惹かれて購入 「もしも、私があなただったらこんな私のことを置いて行ったり絶対しない」 もしも、私があなただったら もしも、あなたが私だったら を考えて言う言葉やする行動は愛だなと思う 変われないなと思っていることも…

掏摸

中村文則さんの小説再読ブーム 改めて読むと前回読んだ時と違う感想になったり気づかなかった部分に気づいたり 本は奥が深いなーと思う 小さい頃から掏摸を繰り返していて今はそれを生業にしている主人公 掏摸の描写が凄い 自分が取ったかのように財布の重み…

水やりはいつも深夜だけど

6つの短編小説 幸せそうに見える家族も きっと知らないところでたくさんの葛藤や苦しみがある お互いの自由や気持ちは押し付けるのではなく尊重できたらいいなとか 自分は頑張っているんだって思いすぎると他の人の傷に鈍感になってしまうなとか いつかこの…

変愛小説集

名前の通り変な恋愛小説のオムニバス 恋愛だと思って手を取っていたら驚く話ばかりだった 変ではあるが入り込める面白さがあり 変なことにまっすぐだと純愛とすら思えて少し感動を覚える 村田沙耶香さんのトリプルは3人で付き合うのがトレンドになっている…

とてもダークなお話なのだが 誰かに乗っ取られてしまったり何かに依存してしまう感覚は理解もできて 人は皆危うさを持っているものなのかもしれないと思った 普段明るく過ごしているように見える人だって その人にしかわらかない何かを抱えてるかもしれない …

ショートショートマルシェ

ショートショートの作品はスラスラ読めるしちょっとの隙間に1話読めて とても重宝している 食にまつわる18編のお話が入っている マルシェのように笑えたり、ほっこりしたり、ちょっと怖かったり いろんな種類の面白いが詰まっていてとても楽しい 駄洒落とか…

アリバイ崩し承ります

とてもキャッチーで読みやすい小説だった アリバイが時計や時間が元になるのなら時計やがアリバイ問題も扱えるのではないのか ということで時計修理屋の女の子が事件のアリバイを解いていく 1話1話の完結のお話で殺人事件などもあるが怖い感じで書かれてお…

疑薬

10年前インフルエンザにかかったのち失明をしてしまう母 薬の影響なのか医療ミスなのか真相を追っていく 良い人にも悪い部分があるかもしれないし 悪い人にも良い部分があるかもしれないし 薬は毒にもなるかもしれないし良くなるかもしれない とそんなことを…

嘘を愛する女

小説が映画化される時 見るとしたら小説から先に読んでおきたい派です 実話を元にしているということが衝撃 5年間同棲していた彼氏は名前も職場も全てが嘘だった なぜ嘘をついていたのか 何を考えていたのか 少しずつ解っていく事実にドキドキした 一緒にい…

崩れる脳を抱きしめて

タイトルに惹かれて購入 明日いきなり死んでしまうことだって絶対にないとは言えないし 1日1日の大切さを本当はもっと感じながら生活しても良いくらい 変わらず生活できることは素敵なこと 脳に爆弾を抱えている女の人に 「あなたの爆弾を、僕に抱きしめさ…

匿名者のためのスピカ

元恋人に監禁されたことがある女子大生が誠実な恋人がいるのに その元恋人の車に自ら乗り込み逃走してしまう 幸せになりたいのに人を傷づけてしまうことも 世の中の正しいことが自分の中の正解ではないことも なんとなくわかる それにしてもとても綺麗なタイ…

羊と鋼の森

何度も読みたくなる本 羊と鋼の森 大人になると仕事するのが当たり前で忘れかけていた仕事始めたてのワクワク感やうまくいかない不安やもっともっと頑張りたい気持ちとか ぶわーーっと思い出されて私ももうひとつ頑張っていこうという気持ちになった ひとり…

やめるときもすこやかなるときも

「やめるときもすこやかなるときも」と聞くと結婚式の誓いの言葉を思い出すが この誓いってすごいことだなと思う 自分が生きていて、好きな人も生きていて それは当たり前ではなく、気持ちを伝えることができたり相手のことを想えることは 本当に素敵なこと…

物語のおわり

小説の感想を見ているとまたに自分と真逆のことを思っている人もいてとても面白い その人の経験や受け取り方によって変化する小説ってとても最高だ この小説も結末のないお話をいろんな人が読み、いろんな解釈を出していく そんな解釈もあるのかと感激したり…

砂上

小説を書くという仕事は 身も心も削られるような大変な作業だと思うと 感謝を込めて1冊1冊をよんでいきたい気持ちになる 作家を目指す主人公が小説を何度も改稿しながら自分の人生を見つめていく 成長過程はヒリヒリするが越えたら先が見えるのかもしれない…

読書嫌いのための図書室案内

なんで本を読むの好きなんだろうとか なんで本を読んでいる人に魅力を感じるんだろうとか なんで同じ本でも読み手によって違うものに見えるのだろうかとか 本についての魅力が詰まった小説でした あんまり本を読まない方にもおすすめしたい本でした 読書嫌い…

青くて痛くて脆い

自分にとっての正しいが誰かにとっての正しいではないことを いつも心に留めておきたいと思う 本当のことに気づくのは大切なものを失った後だったりで 後悔のないように生きていていけたらいいなと思いました 青くて痛くて脆い/住野よる KADOKAWA

1ミリの後悔もない、はずがない

今もそんなに不幸せなわけではないんだけど なんとなくある恋愛の後悔がヒリヒリ痛む感じで 最後まで読むと 昔好きだった人が幸せに暮らしてくれてたらいいなと思ってしまう 素敵な一冊でした 1ミリの後悔もない、はずがない/一木けい 新潮社